自閉症で、重度知的障害をもっている場合、トイレトレーニングが難しいことがあります。
重度知的障害をもっている場合に、どうトイレトレーニングを進めていったらいいのでしょうか。
言葉が通じないことが多いため困難になる事も!?
自閉症で、重度知的障害をもっている場合、言葉が通じないことも多く、否定されることや叱られることに敏感なことや、ご褒美が通用しないことがあります。
そのため、普通の子供でしたら言葉で教えられることも、絵カードなどを使っての説明が必要となり、やり方を説明するにも、手順表を作るなどのことが必要となってきます。
トイレに失敗しても、「ここでしたらダメ」などで叱ってしまうと、否定されたことや叱られたことで頭がいっぱいになってしまい、トイレに失敗したから叱られたということは頭から飛んで行ってしまいますので、注意が必要です。
普通の子供によくやられる方も多い、できたらシールを貼っていくというご褒美シールも、自閉症の子供にはご褒美として受け取れないことも多く、シールを貼る意味が分かっていないことも多くあります。
感覚過敏があり、触覚過敏がある場合には、シールのべたべたした粘着面を触ることを嫌がる子も多いのです。
ご褒美どころか、余計な手間をかけさせられている、嫌なことをさせられていると思ってしまう子もいるのですよ。
普通の子に比べると、説明をするだけでも、いろいろと手間のかかることは多いのですが、諦めないで根気よく繰り返していくことが成功につながります。
また、重度知的障害だからトイレを覚えるのが遅い、軽度知的障害だからトイレを覚えるのが早いとも言いきれなく、重度知的障害で言葉をしゃべれないけどトイレを早く覚えることもあるのです。
軽度知的障害で、早くに布パンツになった子供でも、したくなったらその場で用をたしてしまうということもありますので、「重度だから…」、「軽度だから…」とあきらめないでくださいね。
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重度知的障害のある自閉症の子に効果的なトイレトレーニング
トイレトレーニングは、排泄はトイレですることが正しいということを理解させるという概念を教えていくことが、大切なこととなりますよね。
そのために、子供の排泄サイクルを把握することも必要になります。
何時間おきぐらいにしているか、何時ごろに排泄しているかをしばらくの間記録をつけるなどして、排泄サイクルを把握していってください。
排泄サイクルが把握できましたら、大人がトイレに誘って排泄させる「定時排泄」を繰り返していくことが大事なこととなります。
個人差がありますので、定時排泄することにより、すぐ効果があらわれる子もいれば、何年間もその状態が続くといったこともあります。
焦らずに気長に付き合うものだと思って取り組んでくださいね。
定時排泄の癖がつきましたら、絵カードを見せたり、声をかけたりするだけで、「トイレに行く時間」と理解して行動してくれるようになっていきます。
トイレの手順表を作成して、見やすい場所に貼っておくことで、声かけや絵カードを見せるだけで、1人でトイレに向かって、手順表を参考にしながら1人で排泄できるようにもなるのです。
定時排泄がパターン化されてくると安心はするのですが、注意しなくてはいけないこともあります。
ジュースをたくさん飲んだ時や、体調などによっては、排尿したくなることが何度もある事もありますよね。
何時間おきに行くと決めている場合、その規則を守ろうとしてトイレに行くことを我慢してしまうこともあるのです。
我慢したが、我慢しきれずに失敗してしまうこともあります。
ここで叱ってしまうと、「定時排泄のルールを守ろうとしたのに叱られた」と思ってしまい、せっかくの定時排泄で身についてきたことも一気に崩れてしまうことがあるのです。
順調にいっているようでしたら、定時排泄が身についた後に、トイレに行きたくなったら自らトイレに行くようにもなります。
言葉が通じていない場合でも、成功したときには大げさなぐらい褒めてあげるといいですよ。
失敗してしまった時は、否定語に抵抗がない子でしたら、「ここではしません」、「パンツでしたら×。トイレでするのが〇です」などと繰り返し伝えてください。
否定語に拒否反応がある子でしたら、失敗しても「ダメ」や「いけません」などは使わないようにしてください。
「おしっこはトイレでします」などと、正しいことを繰り返し伝えてあげてくださいね。
言葉が通じない子供の場合は、トイレの絵に〇を書いた絵カードなどで見せてあげるといいですよ。
子供が理解できない方法で続けても無意味になってしまいますので、わかりやすいやり方を常に模索して、伝え方などもその子にあったものに改善していってくださいね。
また、いつまでもオムツを履かせておくと、安心してオムツで排泄してしまうことが癖になり、定時排泄をし始めても時間が来る前にオムツで済ませてしまっているということも少なくはありません。
しっかり付き添って定時排泄できる日は、思い切って布パンツで過ごしてみるということも1つの方法としていいと思います。
最初は失敗が続くかもしれませんが、服を濡れることを嫌う子も多くいますので、布パンツが濡れた不快感から、早く成功するといったケースもあるのですよ。
子供のタイプによっては、「濡れるのが嫌だからトイレでする」と感じさせ、トイレに行くようになるといった方法が、効果的なこともあります。
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