妄想や幻聴、うつに似た症状など、人によって症状は違いますが、様々な症状がみられる「総合失調症」。
家族が「総合失調症」になってしまった時、どう対応していくのがいいのでしょうか。
うつ病の人に言ってはいけないことや、やってはいけないことなどがあるように、総合失調症の人にもやってはいけないことなどはあるのでしょうか?
目次
家族が総合失調症になってしまった時
総合失調症の治療には、入院治療が絶対必要というわけではなく、通院治療だってあります。
そのため、通院はするけど、普段の生活は家庭でするといったことも多くあるのです。
入院と通院のいずれも、抗精神病薬やリハビリテーションによって治療していくのが基本的になっています。
・薬の服用のサポートをしてあげる
抗精神病薬を服用することで、症状がおさまったり、安定したりすることがあります。
ですが、その薬の服用を中断してしまうことによって、症状が再発してしまうこともありますので、治った気になって薬を勝手に辞めてしまう事には注意が必要になるのです。
起床や就寝、食事の時間などを決めるなどして、服用時間を一定にしてあげることで適切な服用ができます。
そのため、場合によってはご家族や周囲の人のサポートが必要になることだってあるのですよ。
規則正しい生活を心がけるためにも、協力してあげることは大切になります。
・十分な休養をとらせる
本人が回復を焦ったり、家族や周囲の人が回復を焦らしたりすることで、充分な休養をとれず、かえって悪化してしまうことだってあります。
なので、ご家族や周囲の人も協力して、ゆっくりと休養ができるように、休養がとりやすい環境を整えてあげることが必要になってくることもありますよね。
・支援サービスなどを利用してみよう
情報収集も兼ねて、地域の支援センターや自立訓練の施設などに、相談することや、アドバイスをもらうことだって大切なことになります。
サポートするにも、どうサポートしていいかわからないことだってありますよね。
同じような患者をもつご家庭と交流し、情報交換することで、自分の家族のサポートに役立つことだってあるのです。
悩みを相談するだけではなく、同じ状況のご家族と励まし合える場にもなりますので、総合失調症の家族をもった人たちが集まる「家族会」などに参加してみることもオススメしますよ。
統合失調症の家族に絶対にやってはいけないことってなに?
総合失調症になってしまった家族に対してやってはいけないことがいくつかあります。
・偏見を持たないこと
心の病気などで、よくあるのが家族の病気に対する偏見になります。
病気を恥ずかしいと思い、隠そうとしたり、恥ずかしいと思ったりしていることで、患者に無意識のうちにプレッシャーをかけてしまっていることがあります。
偏見を持たないようにするためにも、正しい知識を身につけることが大切になります。
・批判的なことを言わないこと
「いい年をして何もしないで」や「ゴロゴロばかりして」など、患者に対して不満や文句を言うことは、病気の症状を悪化してしまうことにもつながりますので、言わないように注意してください。
・敵対心をもった感情をぶつけないこと
サポートするのに疲れてしまった時などにも起こりやすいのですが、「あんたのせいで・・・」などといった敵対心が入った感情を患者にぶつけてしまわないように、注意が必要です。
総合失調症になってしまった本人は、不安だらけになってしまうことや、妄想してしまうことで不信感が強くなってしまっていることが多いですので、「味方」だというメッセージを送ってあることはとても大切なことにもなるのです。
これらのことをやってしまうことで、病気が悪化してしまうことはもちろん、治ったと思ったのに再発してしまうことだってあります。
総合失調症は、治ったと思ってから、5~10年の間は再発のリスクが高い傾向にもあり、再発を繰り返すことで治療も困難なものにもなってしまいますので、注意が必要になるのです。
再発した場合も、初期でしたら回復することも多くありますので、患者の様子を注意してみてあげることも大切なこととなるのですよ。
治療したからといってすぐに治る病気でもないので、長い目で見守ってあげてくださいね。
ただし、過保護になりすぎることや、過干渉しすぎることでも、悪化や再発してしまうことがありますので、度を超えないように気をつけてください。
→子供でも統合失調症の症状は現れる?悪化すると及ぼす影響とは?
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