統合失調症は、病気になりやすい体質が、親から子に遺伝すると考えられています。
両親のどちらも統合失調症ではない場合、子供が統合失調症を発症する確率は、約1%。両親のどちらかが、統合失調症だと、その子供が統合失調症を発症する確率は、10%になるとされています。
親ではなく、兄弟に統合失調症の人が居た場合、遺伝する確率は高くなるのでしょうか?
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統合失調症の患者の親兄弟が統合失調症である確率は10~20%
統合失調症を発症した人の60~80%は、血縁者に統合失調症の人はいないとされています。親に限定すると、統合失調症の人の両親は、90%が健常です。兄弟を含めても、80%は健常とされています。統合失調症の患者の親兄弟が統合失調症である確率は、10~20%です。
統合失調症は、遺伝的素因の上に、環境的要因が深く関わって、発症しているものと考えられています。遺伝的素因の影響は、約3分の2、環境の影響が約3分の1とされています。
→統合失調症の薬やめるとどうなる?飲まないと本当に回復しないのか?
親兄弟に統合失調症の人がいる場合は急な環境の変化に要注意
統合失調症を発症する人は、ストレスに弱い傾向があると指摘されています。ストレスを溜め込みやすいのが、生活環境が大きく変わった時です。進学や就職、家族からの独立などは、特に注意が必要です。
同じ学校や職場でも、担任やクラスが替わったり、部署や上司が変わると、それだけで生活リズムに変化が生じ、生活リズムの変化が、統合失調症の引き金になる事があります。
→統合失調症の人は仕事が続かない?仕事を辞めたいと思った時に取るべき行動
統合失調症の遺伝的素因がある人はこうしたものもストレス要因になる!こんな自覚症状が現れたら受診
統合失調症の遺伝的素因がある人は、人間関係や環境の変化だけでなく、寒暖、騒音、化学物質なども、ストレス要因になります。
対人関係が億劫になった、一度にたくさんの事を処理できない、集中力や持続力がなくなってきた、生活リズムが乱れてきた、というような症状を自覚したら、「いつもの事だから」「自分はストレスに弱いから」などと放置せず、早めに精神科を受診しましょう。そのままにしていると、急性期に移行し、さらに重い症状が出てくる事があります。
また、2008年には、統合失調症になっているかどうかを、遺伝子から発見する事が出来るようになりました。採取した血液から得られた遺伝子情報から、統合失調症を発症しているかどうかが確認できます。
親兄弟に統合失調症の遺伝的素因があると分かれば、陽性症状が出る以前に発見、治療ができます。
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