てんかんの診断をするときに、最も重要な検査は脳波検査となっています。
てんかんの人の脳波にはどのような特徴があるのでしょうか。
てんかん特有の脳波
脳波が正常な場合は、さざ波みたいな波のような脳波が記録されます。
発作がおきるときには、脳の電流に異常がでて、大きな電流が流れることが多いため、トゲのようなとがった脳波が記録されます。
幅が広がった大きなとがった波を「鋭波(えいは)」、トゲのようなとがった波を「棘波(きょくは)」といいます。
他にも脳波の名前はいろいろあるのですが、鋭波と棘波がてんかんのある人の脳波の特徴ともいえ、「発作波」とよばれます。
ただし、脳の状態はいつも同じではないため、けいれん発作をおこして、脳波にも異常がみられたからといって、必ずしもてんかんだという事ではありません。
また、波のカタチだけではなく、その出方によっててんかん波がでている場所もある程度分かるようになっています。
波のカタチによって、てんかんの種類もある程度分かることが多いです。
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脳波に異常が出ない場合もある
脳波の異常は、1回の検査では出ない時もあります。
簡単な検査の場合だと、脳波検査の時間が1時間程度の場合もあり、その1時間だけでは脳波の異常がみられない場合もあります。
24時間の脳波検査や、睡眠時に発作がおきる場合の睡眠時の脳波検査など、時間をかけての脳波検査でないと脳波異常が記録されないこともあるのです。
また、脳波に異常がみられた場合でも、繰り返し発作がない場合はてんかんとはいえないのですが、現状では、意識を失って倒れたり、けいれんしたりしたということだけで、残念ながら過剰診断や誤診が行われていることもかなり多いようです。
てんかんのような脳波がみられても、繰り返し発作がおきないようでしたら、別の疾患の場合もあったり、1回だけ発作があっただけだったりということもあります。
また、てんかんなのだけど、脳波に異常がみられない場合というケースもありますよね。
てんかん脳波がみられないケースとして、検査時間が短く、たまたま発作波がみられない場合や、てんかんがおきる原因の場所によっては発作波がでにくい場合もあります。
他にも、検査前に熟睡していた場合なども出にくい時もあるようです。
脳波検査で異常がみられないが、発作はあるという場合に、何度も脳波検査する場合もあり、長期間をかけて脳波検査の記録をとり診断することもめずらしくはありません。
脳の深いところが原因で、てんかん発作がおきている場合も、頭の外につける電極の装置から遠いために、なかなか脳波異常がみられないことが多いです。
異常はが出る頻度が少ない場合などに、短時間の検査だと、脳波異常が起きている異常が記録されないこともありますよね。
また、子供や乳幼児の場合は成長過程のため、成長とともに脳波検査をすることが必要となっています。
脳波測定で、異常が出なくても、てんかんがおきていることもありますので、脳波異常がみられなくなったからてんかん発作がおきないと油断して、自己判断で薬の中断をしてしまうと、発作がおき事故やけがにつながる場合もありますので注意してくださいね。
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