発達障害の1つである自閉症には、いくつかタイプがあり、そのタイプによっては知的障害を伴うものがあります。
自閉症と知的障害が合併している時の子供の特徴は、どういったものがあるのでしょうか。
知的障害には度合いがある
自閉症の中で、知的障害を伴うものは、「カナー症候群」(カナータイプや低機能自閉症とも言われている)になります。
よく耳にするアスペ(アスペルガー症候群)は、知的障害を伴っていないものになります。
知的障害は、知能機能と適応機能の2つから評価されて診断が下され、IQの数値で知的障害の度合いが変わってきます。
言語の発達がゆっくりだが、日常生活能力としては問題がないものが「軽度知的障害」になり、IQは50~70ぐらいになります。
軽度知的障害の特徴としては、集団生活や友達との交流は可能なのですが、漢字を習得するのが困難、簡単な文章での意思表示や理解ができるなどです。
18歳以上になっても小学生レベルの学力のことも多いようです。
言葉の発達や運動能力に遅れがみられる「中度知的障害」は、IQ35~50ぐらいになり、身辺自立は部分的にはできるのだが、すべてこなすことが困難ともなっています。
中度知的障害の特徴としては、服を着替えたりすることはできるが、場合に合わせての選択や調整が困難なことや、新しい場所での移動や交通機関の利用が困難、ひらがなの読み書きはある程度できるがお釣りの計算が苦手などになります。
言語機能と運動機能の発達が遅く、ひらがなの読み書き程度に留まってしまう「重度知的障害」は、IQ20~35になり、身の回りのことを1人で行う事が難しいことが多く、衣食住での介助や保護が必要となることもあります。
重度知的障害の特徴としては、簡単な挨拶や受け答えはできるが、それ以外のコミュニケーションが苦手、体や服の汚れをあまり気にしない、箸を使って食べることができ、大体こぼさないで食べることができる、排便の始末が困難など、あげられます。
1番症状が重いのが「最重度知的障害」となり、言葉の発達がみられなく、叫び声を出す程度に留まってしまうことも多くあります。
IQ20以下になり、身の回りのことを自分ですることができず、親を区別して認識することも困難な場合もあります。
最重度知的障害の特徴としては、衣服の着脱ができないことや、1人で食事ができないこと、言葉がほぼなく、身振りや簡単な単語で意思表示をすることなどが、あります。
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知的障害の子供の対応の仕方
知的障害がある自閉症の場合の子供は、一般的には聞き取りが苦手なことも多いのですが、目で見る指示に対してはスムーズに従えることが多くあります。
文字を読める子供でしたら、文字に書いて指示してあげると効果的です。
文字が読めない子供でしたら、写真や絵カード、イラストなどで指示してあげることが大切です。
耳から聞き取ることが苦手な子にわかりやすいと思って丁寧に話しかけたり、体を触られるのが嫌いな子にスキンシップをはかったりするのは、子供を苦しめてしまっていることもありますので注意が必要です。
短くて簡潔な言葉で、見本や実物・カード・文字など目に見えるものを使って教えることで、スムーズに取り組めることが多くあるのです。
スケジュールがわからないと不安になる子も多くいますので、目に見える形で本人にわかるようなものを使いスケジュールを作ってあげることが大切になります。
時間に関して、食事時間や買い物する時間、お風呂の時間なども、時間を決めてなるべく変えないということが必要なことも多いです。
変更する時は、前もって予告しておいてあげることが大切となります。
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